今さら聞けないデビットカードの超基本的な使い方、そしてちょっと便利な上級者用の使い方、海外で恥をかかないデビットカードの使い方、ひとまとめにして解説します。
【超初心者向け】基本の使い方
デビットカードの使い方は基本的にクレジットカードと同じです。
デビットカードの操作方法は、基本的にこれだけです。簡単でしょ?
そんなあっさりした説明じゃ不安。という人のために会話形式でもう少し詳しく説明しましょう。
あれあれ?デビットカードは分割払いなんてできないのに、この店員さん分かってないかも?
「はぁっ?分割にできるんですか?」なんて店員さんをいじめずに「一回で」と答えてあげてくださいね。お行儀の良いお客さんになって、手続をさっさと進めてしまいましょう。
店員さんがカードリーダーを渡してくれるので、カードを差し込みます。タッチ式のものもあるので、店員さんに従ってください。
カードリーダーに表示される金額が正しいか確認して暗証番号を入力します。
レシートをもらって支払い完了です。
暗証番号はシステムや利用金額によって入力が不要になるケースがあります。スーパーやユニクロでは3万円、コンビニでは1万円までなら暗証番号不要としていることが多いようです。
暗証番号を忘れたらどうする?
暗証番号を忘れてしまった場合や、ICチップに対応してないカードの場合はサインで支払うことができます。
ICチップって何?
カードに写真のようなマークがついていればIC対応カードです。暗証番号を使って支払いが可能です。
※ICチップはカードの偽造対策を目的に導入されたもので、暗証番号などの情報を暗号化して保存しています。海外ではIC未対応カードは使えないことが多いようです。
暗証番号を忘れてしまった場合はカード発行元の金融機関に連絡して変更することになりますが、電話で簡単に変更というわけにはいかないので暗証番号は忘れないように気を付けましょう。(かといって、うちの母親みたいにカードの裏に書いとくなんてもっての外ですけどね。)
デビットカードで現金を引き出す
キャッシュカードとして使う(ATMで引き出す)
キャッシュカードはATMで銀行口座のお金を引き出すことができるカードですが、多くのデビットカードはキャッシュカード一体型になってるので、このタイプであればATMで現金をひきだすことが可能です。
ただし、キャッシュカード一体型デビットカードの場合でもデビットカードとキャッシュカードの暗証番号が一緒とは限りません。銀行によっては、セキュリティ対策のために別々の暗証番号を利用するように設定しています。
一体型カードでは安全面に不安があるとお考えの方は、デビットカードとキャッシュカードが分かれている分離型カードを選択するといいでしょう。大手メガバンク発行の「VISA」または「JCB」つきのデビットカードは分離型のものがほとんどです。
※SMBCデビットは、2018年3月三井住友銀行のキャッシュカード一体型デビットカードの発行をスタートしました。
キャッシュアウトサービスを使う(お店で引き出す)
海外の一部ではかなり昔から行っているサービスですが、2018年4月日本でもキャッシュアウトサービスを開始しました。キャッシュアウトサービスは、お店で会計するとき、一緒に現金を引き出すサービスのことです。
例えば、お店で1万円の買い物をしたときに「2万円キャッシュアウトお願いします。」と言えば、2万円の現金を受け取ることができます。預金口座からは買い物した分の1万円とキャッシュアウト分の2万円で、合計3万円が引き落とされます。
わざわざATMに行かなくても買い物ついでに現金を手にできる便利なキャッシュアウトですが、小売店などあまりお金を置いてない店舗では断られるかもしれません。デパートや大型スーパーなどでデビットカードを利用する場合は、ぜひ利用してみてください。手数料は無料です。(海外では、為替レートに事務手数料が加算されることがあります)
海外でのデビットカードの使い方
海外でもデビットカードの使い方は基本的に日本と同じです。
ただし、海外ではJ-Debit(Jデビット:日本で発行されたキャッシュカードをそのままお店で使うサービス)は使えません。「VISA」や「JCB」といった国際ブランドつきのデビットカードが必要です。ただ、海外ではJCBより断然VISAの方が使える店舗数が多いので、これから海外用にデビットカードを作る人には「VISA」がおすすめです。
レジ付近に自分がもってるデビットカードのマーク(JCBまたはVISA)が貼ってあれば使えることが多いのですが、手っ取り早いのは店員さんにカードを見せて
など、簡単な単語でかまわないので聞いてみることです。
ちなみに、英語で暗証番号のことを「Pincode(ピンコード)」または「Pin(ピン)」と言いますが、海外では一定の金額までのお買い物はPIN入力が不要になることが多いです。(例:イギリス30ポンドまで、オランダ25ユーロまで)
ただし、日本では暗証番号を忘れてもサインで決済できることがほとんどですが、「海外ではPINがわからないとダメ」という場合が多いです。こういった店舗では、ICチップ非対応カードも利用できません。出張や旅行で海外にいくときは、クレジットカードやデビットカードの暗証番号を再確認しておきましょう。
海外ATMの利用方法と手数料
わざわざ現地通貨を準備していかなくても、デビットカードをもっていれば現地でお金をおろすことができます。ただし、海外では街中でATMがなかなか見つからないということも少なくないので、空港に到着したらまずはATMでいくらか引き出しておくといいでしょう。
上の写真はパリのATMですが、「JCB」「VISA」「Plus」といったマークが貼ってあります。こういったATMであれば、基本的に「JCB」「VISA」つきデビットカードなら現地通貨を引き出すことができます。
キャッシングと違って借金ではありませんから金利設定がないため利息はかかりませんが、出金手数料や為替レートに数%の海外事務手数料が上乗せされることがあります。
デビットカード | 海外ATM手数料 | 海外利用限度額 |
---|---|---|
JNB Visaデビット | 出金手数料0円 レートに海外取引コスト3.02%加算 |
ショッピング利用金額と合算して、1日あたり最大500万円まで設定可能 |
三菱UFJ-JCBデビット | 110円(税込) JCB指定の基準レートにJCBが指定した料率(1.6%)+海外事務手数料3.05%を加算 |
・海外ショッピング0~200万円 ※初期設定50万円 ・海外ATM現地通貨引出10万円 |
三菱UFJ-VISAデビット | 110円(税込) Visa指定の基準レートに海外事務手数料3.05%を加算 |
・海外ショッピング0~200万円 ※初期設定50万円 ・海外ATM現地通貨引出10万円 |
住信SBIネット銀行 ミライノ デビット(Visa) | 海外事務手数料2.50% | 0~100万円 ※初期設定30万円 |
Sony Bank WALLET | 220円 レートに海外事務手数料1.76%加算 |
0~100万円 ※初期設定50万円 |
SURUGA Visaデビットカード | 220円 レートに海外事務手数料3.0%加算 |
- |
イオン銀行キャッシュ+デビット | 220円 レートに海外取引関係処理経費1.60%加算 |
普通預金口座残高と利用限度額の範囲内 |
SMBCデビット | 110円 レートに海外事務手数料3.0%加算 |
1か月0~100万円 ※初期設定30万円 |
楽天銀行デビットカード | 出金手数料0円 レートに海外取引コスト3.024%加算 |
1日最大20万円。 ※デビット利用限度額が20万円より低い場合はデビット利用限度額が上限 |
りそなデビットカード | 海外事務手数料2.50% | 現地金融機関の限度額を優先 |
GMOあおぞらネット銀行VISAデビット | 海外取扱事務手数料3.02% | 1000円~100万円 ※初期設定30万円 |
海外のキャッシュアウトサービス
スーパーなどの店舗でお会計のついでに現金を引き出すキャッシュアウトサービスは、アメリカやイギリスなどの海外ではかなり浸透しています。
イギリスのスーパーでデビットカードを使うと、「キャッシュバックする?」ときかれることがよくあります。英語ではキャッシュアウトより、キャッシュバックといった方が通じるかもしれません。キャッシュバックって聞くと、いくらかもらえるような気がしますが、そうではなく銀行口座からお金を引き出すことになるので気を付けてください。アメリカのカードリーダーに「Do you want cash back?」と表示されることがありますが、これは「キャッシュバックしますか?(現金を引き出しますか?)」という意味です。
前の章でお話した通り、ATMは危ないこともあります。大型スーパーなどでキャッシュアウトしてしまった方が安全です。
スマホアプリで残高確認
スマホアプリを使えば、残高や入出金明細を簡単に確認できます。最近ではスマホアプリに力をいれてる金融機関も多く、各種設定手続きや口座の入出金記録から家計簿作成など優れた機能が提供されています。
JNB Visaデビット
ジャパンネット銀行のアプリは、画面をなぞるだけでログインできる1秒ログイン機能が採用されています。預金残高やJBN Visaデビットでお買い物した時の明細が確認できます。振込などの支払い機能はありません。
りそなデビットアプリ
口座残高がTOP画面に大きく表示されるので、とても見やすいと評判です。デビットカード利用時の明細確認や、各種設定がアプリでできます。
SMBCネットワークアプリ
SMBCダイレクト利用者なら、三井住友銀行、SMBC日興証券、三井住友カードの支払金額や残高等をまとめて管理することができます。月々の利用予算や金額を決めてアラートを表示するといった機能が備わっています。アプリにSMBCデビットを登録すれば、デビットカード利用時の入金・出金の詳細データや利用店舗情報を確認することができます。
みずほWalltアプリ
みずほ銀行に口座があれば、アプリの中に「スマートデビット」というヴァーチャルのカードを発行することで、スマホでデビット決済ができるようになります。みずほJCBデビットを持ってる人なら、アプリにカードを登録すればスマホでも決済できるようになります。(2018年7月現在androidのみ)
セブン銀行通帳アプリ
口座残高やデビットカードの利用明細が簡単に確認できます。なんと、このアプリ「日本語、英語、タガログ語、中国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、 ポルトガル語、スペイン語」の9か国語に対応している(2018年7月現在)ので、日本で生活する外国人の方にすごく重宝されています。セブン銀行、なかなか国際的ですね。
ネット専用カードレスデビット
デビットカードはネットショッピングでも利用可能ですが、インターネット専用のカードレスデビットを提供している金融機関があります。
ジャパンネット銀行の「JNB VISAデビット」は、ネットショッピング専用に番号を4つまで発行できるキャッシュレスデビットを提供しています。この番号は変更、停止、再開が自由にできるので(変更は一日5回まで)、初めて利用する通販サイトや海外サイトでも安心して利用することができます。
まだ少し先、2019年春スタート予定のサービスですが、じぶん銀行はカードレスデビット決済サービス「スマホデビット」をスタートさせることを発表しました。おサイフケータイのように、スマホを店舗に用意された端末にかざすだけで決済ができ、デビットカード番号を使えばネットショッピングも利用できるようになるそうです。
デビットカードでできないこと
「デビットカードって何ができるの?どうやって使うの?」という質問と同じくらい、「デビットカードでできないことは何」という質問を受けます。最後になりますが、デビットカードでできないことをまとめてみました。
キャッシング
デビットカードにはクレジットカードやカードローンと違って「キャッシング」機能はついていません。
デビットカードは口座開設するだけで使える審査なしのカードで銀行からダイレクトでお金が引き落とされるため、誰にもお金は借りていません。一般利用には利息も手数料もかかりませんから借金嫌い、現金払い大好きの日本人にピッタリなのがデビットカードなんです。
Debitは(Dr.)、Creditは(Cr)と表記されることもあります。
リボ払い(分割払い)
キャッシングと同様の理由で、デビットカードを使ってリボ払いや分割払いをすることはできません。デビットカードでの支払いは常に一回払いです。店員さんが「何回払いにしますか?」と聞いてくることがありますが、それは店員さんがデビットカードとクレジットカートの違いをわかってない、またはクレジットカードと勘違いしていることが原因ですから「1回払いで」と答えてあげてください。
海外送金
デビットカードを使ってお金を送金することはできませんが、デビットカードを発行するためには口座開設が必要です。この「口座にお金を入金しておけば、デビットカードを使って買い物したり、現地ATMでお金を引き出したりすることができます。
たとえば、海外に留学中のお子様に現金を渡したい場合は現金を送金するのではなく、デビットカードを渡して「現地でお金を引き出してね」と伝えればいいというわけです。残高が足りなくなったら、該当の口座にお金を入金してあげましょう。